親バカを活用できる(かもしれない)ロングテール

「親バカメール」に悩まされる人たち
(ITmediaNews 2006/5/30)
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0605/30/news002.html



 うはー笑えねー。子どもが居る方なら少なからず共感するであろう「子ども自慢心理」と、それにうんざりするメール受信者のお話。


 数年前、とあるPCショップで働いていた頃に、同僚の女性社員同士で猫の話に花が咲いていたのを見かけたので、あとでその輪の中に居た僕の直属の先輩に「みなさん猫好きなんですか?」と訊いたら「そうじゃなくて、実際にはMちゃん(女性社員の一人)が無類の猫好きで、ずっとその話に付き合わされてるのよ。君も、Mちゃんに猫の話振ると逃げられなくなっちゃうから気を付けてね。」との返答。

 ふーん、と思いつつも気になったので、ある暇な昼下がりにMさんに「そういえばMさんが猫大好きって聞いたんですけど」と振ると、Mさんはその瞬間に眼を輝かせて「そうなのよー!うちの子がもう可愛くて可愛くて・・・」と言いつつ、おもむろにバッグから小さなアルバムを取り出した。中身はもちろん愛猫の写真だらけで、何の違いがあるのか解らない似た2枚を取り出して「こっちの顔が可愛いんだよねー、いやこっちの方かなあ?」と語りだす。よく見るとアルバムには「○○ちゃんのアルバム(外遊び編)」といったようなタイトルまで書かれていて、その愛の深さにクラクラしたものだ。


 てゆう話を、同じく猫が好きで好きで仕方ないと公言する奥様にしたら、驚くどころか「いやいや、猫好きなら当然やるでしょー。」と首を延々縦に振り、殆どの部分で共感を覚えたと答えた。奥様もその昔、子猫時代から育てていた愛猫で同じ事をしていたらしい。猫好きってみんな同じ行動するの?!

 その奥様は、さすがに友人に無差別に送りつけることはないけれど、デジカメや携帯電話で撮った娘の写真をディスプレイで眺めて「どっちがいいかな?どれが可愛い?」と真剣な眼差しで選定し、それをプリントアウトしてはアルバムにならべて丁寧にカテゴリ分けしている。これだけでも愛の深さが解るってもんだわ。



 ところで僕は、子どもの成長日記や写真はメールで送るよりもweb上で公開したほうが良いかもしれないなあと思う。これは当然、子ども本人や更新する親自身の個人情報として特定されない範囲での話だけど。

 というのも、僕の娘が未熟児で産まれたとき、奥様は取り憑かれたようにネットで様々な文献等を検索していたんだけど、予想される発育の流れや病気の事などの情報はあれども専門的すぎて理解しづらく、また何より実際に元気に育ったケースを見ることが少なかったからだ。
 当然の事ながら、子どもの発育は人それぞれなので「必ずこのような時期を通ります」なんて事は言えないけれど、先人の知恵や経験は何かしらヒントになってくれるので、それなりの心構えができることだってあるはず。多くの人にとってはどうでもいい情報でも、少なからずニーズがどこかにあるかもしれない、というロングテール的情報としての活用ですな。
 そんなことがあったので、奥様もblogで育児日記をこまめに書いている(こんな時、奥様が細かいA型で良かったと思うわ) んで、このblogを書く時もできるだけ「発育のこと」「病気に関すること」「自分の子どものケース」など、ただのメモや思い出話としてではなく「後に続く人にとって参考になりそうな情報源」として読める様に、カテゴリ分けなどもしっかりやってる。あの時欲しかったと思ってた情報を、できるだけ簡単に読めるように心がけているんだろう。

 情報の入手先が少なかった頃は、人づての話や本などに書かれている事と違うとき「なんで私だけ違うんだろう」と思い悩んだお母さんが多かったと聞く。けど最近はネットで育児日記を書いてる人が多いので「ああ、いろんな人がいるんだなあ」と思えるようになったんじゃないかな。
 まあ、ネットに頼りすぎたり、ネットに書いてることを鵜呑みにするのはイカンのだけどね。メディアリテラシーってやつを身につけたうえでなら、これだけ利用価値の高いツールもないと思うのだ。そんなわけで、お子様をお持ちの方は是非とも育児日記をwebで書くことをオススメしたい。



 とか言いつつ、僕自身は育児日記って全然書いてないんだよね。blogにそのカテゴリ作っても「ネタが無えー」とかゆって殆ど投稿されぬまま。ついでに言えば、実は娘が産まれた時に購入したデジタルビデオカメラが殆ど動いてなかったりするよ orz その場のノリや思いつきで行動しちゃういいかげんな僕には、こういう細かい作業は長続きしないです・・・。