携帯電話は高くなるのか?とかいう話


モバイル業界に明日はあるか? 危機感にじませる津田会長
http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/0603/16/news098.html

中村社長が話した「ドコモのワンセグ」そして「ソフトバンク対策」
http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/0603/31/news010.html

「WIN端末の価格は上がらない」と小野寺氏
http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/0604/25/news086.html


 上からボーダフォン、ドコモ、auの各社のお偉い様の会見とか講演会とかのまとめ記事。んで、この三者から共通して出てくるのは「インセンティブ」というキーワード。インセンティブは単純に言えば「端末を売った数だけショップが通信会社からお金を貰えるシステム」のこと(http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/keywords/0203/18/n_keyword1.html

 要するに、1台数万もする機械なのにモノや時期によっては発売開始時から入荷価格を割った販売価格でショップに並んでたりするのはインセンティブの恩恵なんだけど、高機能化するごとにその開発コストや単価が高くなるので、今後はこの方式を改めてショップ側の販売価格を高くしないと赤字になっちゃうんじゃね?という話題。
 ドコモとボーダフォンはこれについて危機感を示していて、特に親会社がイギリスにある世界企業のボーダフォンは、世界の携帯事情と照らし合わせても「日本は特殊」としている(これについてはボーダフォン津田会長の記事の最後の方に関連記事があるので興味のある人はどうぞ)
 しかし、逆にauの方は「WIN端末は共通のプラットフォームを利用しているのでソフトウェアの開発費用は抑えめになってる。むしろ今の方が端末価格は安いんだよね」といった趣旨のコメント。このKCPと呼ばれるプラットフォームは、メールやブラウザなどの機能を各社共通化することで「差別化するべき部分に集中できる」環境を作ることを狙ったものなのだそうな(http://www.itmedia.co.jp/enterprise/mobile/articles/0509/20/news032.html

 携帯端末の価格については、一昔前のPCやPDAに匹敵する能力を持った端末が2万くらいで手に入るんだから安いのは間違いないよね。逆に海外では「機能はいらないから安い端末が欲しい」っていう方向に進んでいるのかな。
 とりあえず、今後ちょっとづつ価格が上がるかもしれない、という話の起点として記事をメモしておく。しかしドコモの端末は現状からさらに上がるのか・・・。


 ところで、ボーダフォンの津田会長は「日本の端末が世界では売れない、というのよく知られているが、その原因にインセンティブなどの日本独自のビジネスモデルが影響しているのではないか」という発言をしている。
 日本の端末は海外では全然売れてないという話はよく聞くけど(トップはフィンランドノキア。映画「マトリックス」の黒い端末を作ったとこ。日本ではドコモとボーダフォンでリリースしてる)、海外の端末売上げランキングでは日本製端末って「その他」項目にまとめられちゃうくらい人気無いのね。
 このへんの差って、やっぱり日本が「メール文化」を作り上げてしまったことの方に原因があると思うんだけどなあ。文字としてログが残って、口に出しにくいことも含めて一方的に話ができて、どこからでも送受信が可能、というあたりが日本ではマッチしたのかなと思うし。連絡網としての機能なら、海外では「プッシュ・トゥ・トーク(日本ではドコモの「プッシュトーク」として最近導入された)」を使っちゃうのかな。第一、あのでっかい手で携帯電話のメールなんて面倒くさいだろうしねえ。