新しい音楽再生方法のカタチづくり

 昨日の話題をちょっと含む妄想。

 かの有名な音楽家ブライアン・イーノは、フロッピーディスクを媒体としたアルバムを発表し、再生するごとに異なるフレーズを奏でる曲(プログラム?)を作り上げたが、まあ僕らもそこまで専門的ではないものの、PS「DEPTH」やSS「テクノモーター」などで才能や技術が無い者には縁遠い話だと思われていた「音楽の生成」が可能になり、簡易的な曲作りやちょっとした演奏が手軽に楽しめる環境にある。
 さて、これらの手法で出来た音楽は、生成に立ち会える喜びはあるものの、出来上がった曲を録音し持ち運んだり人に聴かせたりすることが結構めんどくさい。いちいちラインアウトからケーブルひっぱってタイミングを計りつつラジカセで録音したり、PCに取り込んでCDに焼いたりしなければならないわけだ。そして録音してしまうと今度は「生成の喜び」は失われてしまう。それを再現するには同じ環境を他の場所に構築する必要がある。そのためだけにいちいちPCを持ち運ぶのもなあ。
 んで、この2つを同時に解決する方法がある。携帯ゲームマシンだ。これならばプログラムが走るので好きなだけ自動生成できるし、コントローラを使ってそれに干渉することもでき、PSPであればメモリースティックに演奏を録音することも可能だろう。なにより元々携帯することを目的としたデザインなので、持ち運びもそう苦ではないはずだ。そんなわけで相変わらず「携帯ゲームマシンで曲作り+α」を妄想してやるのだ。

 GBのチープな音で曲作りが可能なステキソフト「nanoloop 1」の最新バージョン(現時点では1.3)がリリースされたらしい。*1携帯ゲームマシンで曲作りができるのは、現状では多分このnanoloopと「大合奏!バンドブラザーズ」くらいかなー。いやまあPSPでFCエミュレータ動かして「いきなりミュージシャン」使えば出来なくはないんだろうけども・・・ってそれはともかく、このようなプログラムでフレーズの自動生成機能を搭載し、電池の続く限り延々と演奏させるというのはアリかなと。
 しかし単純に同じパターンのフレーズじゃつまらないので、何かしらの環境の変化等で曲の展開が起こるようなトリガーが欲しいところ。ループの回数を決めておいて、規定回数以上ループすると別のパターンのループに繋がっていくとかはまあ解りやすいところだと思うけど、たとえば時間の経過で変化するもの(時計を内蔵して実時間の流れに沿った曲調に変化するとか)、光センサーで曲調を変えるもの、携帯電話で実現できるのであればカメラで捉えた映像の基調色等で変わるもの、といった要因でもって変化をつけることができそうだ。

 また、現行のゲーム機の機能を使ったフレーズの生成方法という方向もあるだろう。NDSならば独自の機能を活かした「すれちがい通信によって起こるパターンフレーズの増加・変化」「パターンの交換(現在演奏しているor交換用パターンプールからお互いのパターンを交換)」という使い方も楽しそう。すれちがい通信を数十秒〜数分に1回のペースで試みて、近場に居たら干渉しあうというかんじ。
 PSPだと、ゲーム以外のコンテンツにデータが付属してるってのも面白そうだなー。同時期に出た数人のアーティストの音楽コンテンツに音ネタを仕込んでおいて、パターン生成の際にその音を取り込んで再生させる(この使い方は相当に限定的だからまずありえねーとは思うんだが) また、アーティスト自身が作ったフレーズや曲データを仕込んでおくというシークレットトラックな扱いの曲があるとお得感増?で、CDとの差違が作れていいのかもしんない。


 このへんの話が全部妄想でしかないのは解っているんだが、それでもやっぱり手軽に持ち運べる作曲環境としての携帯ゲームマシンの利用は憧れるなあ。NDSのタッチペンなんて入力すっげー楽そうなんだけどなー。

*1:nanoloopのバージョンは「1.x」がGB用、「2.x」がGBA用となっているが、ソリッドでチープな音が出せる1の方が人気。