MySpaceが日本でメジャーになるには





「わたし」対「わたしたち」――mixiと日本文化に挑むMySpace

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0702/16/news070.html





 アメリカでは最大手となるSNS「MySpace」と、日本での知名度がだんだんと国民的レベルにまで達しようとしているmixiとの比較を試みた記事。この記事では、両者の相違点として「MySpace=個人の情報や主張を発信するアグレッシブなサービス」、「mixi=仲間同士で繋がる和を大事にしたサービス」といったあたりを挙げている。



 新しくて自分に関係のありそうなSNSは片っ端から登録してみているのだけど、人気のあるところはやはりそれぞれに特徴が分かれていて面白い。その中で今や最大手となったmixiは、他SNSに共通する機能の中でも王道を行くスタイルで、何が発祥だったのかわからなくなるくらいにスタンダードな雰囲気を醸している。参加者が多くなったことで連絡網としての機能を果たすようになり、今後もユーザー数が減りづらいサービスのまま継続していくのかなあという印象。



 そのmixiをベースに考えると、MySpaceはかなり異質。アカウントとって曲公開してるんだけど、使ってみたイメージは「ユーザー同士で繋がりやすい簡易的なサイト構築ツール」かなあ。mixiはユーザーのプロフィールを読むのにもアカウントを取る必要があるけれど、MySpaceでは最初から外向けのページが用意されていて誰でも読める、という事から両者の使い方は全く異なるのが解る。

 MySpaceで面白いなと思ったのは、有名アーティストもユーザーとしてアカウントが広く公開されており、ファンクラブ的な繋がりとしてそのアーティストにフレンド登録の許可を貰う、という行為が一般的であること。僕のアカウントでもジェフ・ミルズやベン・シムスなどがフレンドリストに登録されている。mixiではコミュニティで大体の嗜好が解るけど、それに近いと言えるかも。



 MySpaceは音楽の公開のための場所と考えると使いやすいし、実際全く知らない海外のユーザーからのフレンド登録もちょこちょこ来ているけど、使いこなすとなると受け身だけではいられないのが日本人には大きな難点かもしれん。なにせmixiはログインするだけで他ユーザーの日記の更新状況などがすぐに確認できるし(MySpaceも無くはないが使いづらい)、基本機能はほぼ全て携帯電話からも見られるってのは大きいのかなーと。

 ただ個人的には、下手にmixiクローンやモバゲークローンでSNSを構築するよりも、かなり毛色の差があるMySpaceのほうが面白がられる可能性はあるかもしれないなーと思っていたりする。決め手は、クローズドな雰囲気に飽きた人向けに「フレンド同士が繋がるという日本製SNS的な要素を持ちながら、日記等の情報は外向けに配信できる」ってことを強調するとかなのかなあ。ただ進化の方向がどんどんとブログ的になっていっても困るかなとは思うけども。



 日本でMySpaceを流行らせようとするなら、やっぱりアーティストやタレント等有名人のアカウントを今後どんどん増やすしかない、ってことになるのかなあ。ラジオ番組のパーソナリティが専用の音声コンテンツを作って配信し、フレンドリストで各リスナー同士を繋いでいくとか、そこから曲や声を番組内へフィードバックするとか、っていうのも面白そうだな。